高齢者施設の介護職員不足解消

高齢者施設においての介護職員不足は、数年前から話題になることが多く、施設整備が出来たとしても職員確保が出来ずに空き部屋がある状態になっているほどです。

 

 

国や各市町村においてもそれぞれ取組をされているところです。

 

 

 

 

特にこのように「介護職員処遇改善加算」という形で、職員への給料を上げる事の取組は進んでいるように感じます。

 

 

しかし、それ以前にやはり介護という職の魅力をもっと伝えていく事のほうが大切だと思っています。

大学生から社会に出て仕事を始めるとき、ほとんどの人は、まず自分のやりたい仕事で就職先を探すものです。

 

 

給料が高いとか安いという事よりも一生続けていく仕事が自分に合っていて、やりがいや楽しみが無いとその職業に着こうとは思いません。

 

 

だから給料を少しばかり上げるという事よりも、介護という職の魅力を発信し、体験させる事にもう少し力をいれても良いと感じています。

 

 

特別養護老人ホームやその他の高齢者施設の今後は、利用者に選ばれる施設になっていかなければいけません。特別養護老人ホームにおいても今は待機者がいますが、2040年以降は高齢者の人口は減少傾向にあります。

 

 

その施設にしか無いサービスや特徴を出していかなければ生き残ることはできません。そしてそのような施設を創る事で、利用者にとってもそこで働く職員にとっても居心地の良い施設となるはずです。

 

 

良い福祉施設とは、そんな施設であると信じて私たちは建築設計という立場から提案しつづけていきたいと思っています。




地方での高齢者施設計画

先日、福祉施設の打合せに高知県の某所に伺ってきました。

 

 

30数年経過した既存施設の建替え事業なのですが、やはり土地取得の問題があり簡単にはいきません。

土地取得に関しては地方の土地は価格的には安価なのですが、都市計画区域外であったり、用途地域が指定されていなかったりで、比較的郊外の土地においても、なんでも建ってしまうという事情があるため逆に難しい場合もあります。

 

 

 

 

伺った土地は海が見える高台で、高齢者や障がい者が暮らす場所としてはとても良い環境でした。

しかも駅から徒歩100mという場所で職員や面会に来られるご家族にとっても良い立地条件です。

 

 

神奈川のような都心部とこうした地方での違いで感じるのは、職員の確保の事です。全国的に介護職員不足の問題はありますが、地方の場合は絶対人数が少なく若い世代の人たちが都会に出ていく場合が多いため、都心部よりも職員確保が難しい状況です。

 

 

地方都市は介護職員だけでなく人口減少に歯止めがかからず、さまざまな取組で町おこしを行い地方出身者が戻ってくるように、あるいは都心部の人が移住してくるような取組をしている状況です。

 

 

確かにそうです。私の田舎でもそのような現象で少子化時代に人口が減少していく一方です。(私もその原因の一人です。)

 

 

そんな状況で介護職員は増えるはずがありません。まさに施設間での職員の取り合い状態に陥るわけです。

 

 

そんな中、市役所も問題意識が強く、市が主導で、市内の社会福祉法人と協議しながら都心部からの移住を支援する仕組みをつくろうと必死です。移住してくる方への引っ越し費用の補助や数年間の家賃補助等公的資金を導入しての取組です。

 

 

全ては市内の高齢者のための施策となります。

 

 

でも、こうした動きは面白い企画だと思います。単に人口減少に対する移住という事では無く、介護という限定した取組はなかなかありません。

 

 

そして都心部で働く方々は、田舎暮らしに興味のある方も沢山います。

 

 

 

今回伺った敷地周辺の写真ですが、こんな古くからの町並みや建物が残っていて、空き家利用という形でも面白いでしょう。

 

 

 

 

自分も田舎生まれの田舎育ちのため、こんな風景が懐かしく、どこか安らぎを感じてしまいます。

 

 

地方には地方の魅力があります。

高齢者施設、障がい者施設にも地方の魅力を活かし、様々な事情を受入ながら整備していく必要があると感じました。

 

 

今後、都心部においても老朽化による建替えは必須となります。施設整備の補助金は新築の場合でしかありませんが、こうした地方のように次の段階にシフトしていく必要性を感じています。

 




介護系総合情報サイトSUMICALM(スミカム)続編が公開

介護系総合情報サイトSUMICALM(スミカム)の特集、福祉施設研究所のインタビュー記事第二段「未病×建築」が公開されました。

 

 

高齢者施設の設計にあたり、いかに自然に高齢者の行動やコミュニケーションのきっかけができるか、福祉施設の建築設計者という立場から考える事を紹介させていただいています。

 

 

 

 

 

コチラ SUMICALM(スミカム)




特別養護老人ホームの空きが2割?

特別養護老人ホームの待機者は各市町村でばらつきはありますが、まだまだ多くの高齢者が待っているという状況です。

 

 

しかし、特別養護老人ホームの定員の約2割は空き室になっているという状況があるとの事。

 

 

(4月7日 日刊ゲンダイ)

 

 

一般的に特別養護老人ホームは介護度3以上の高齢者、いわゆる重度の方しか入所できないという考えが浸透しています。原則としてはそのとおりですが、介護度が1、2の方でも入所できる場合があるとの事。

 

 

介護している方が認知症であったり、老老介護といった家庭環境で介護が困難な場合などで入居が可能な場合があります。

 

 

現在の日本の社会では核家族化が進み、どうしても親の近くに子ども世代がいるとは限りません。一人暮らしの高齢者や老老介護の高齢者夫婦は今後も増える一方です。

 

 

介護度3以上しか入れない、と思い込んで相談や申し込みもしていない待機予備軍は世の中にどれだけいるのでしょうか。

 

 

また、待機者が減らない一方で、特別養護老人ホームの空き室は定員の平均2割にも達するそうです。

 

 

待機者がいるのに空き室が多いという状況はどうして生まれるのか?

 

 

現在、介護業界では最も深刻となっている職員不足の問題です。施設整備が進んだとしても、職員が集まらないという話しは良く聞きます。新しく特別養護老人ホームが開所しても職員が集まらないとその分の部屋は受け入れが出来ないという状況は少なくありません。

 

 

先日神奈川県内の某特別養護老人ホームの理事長と話をしましたが、職員不足を補うために外国人の介護職員を積極的に採用しているという話しを聞きました。

 

 

コミュニケーションや介護記録の問題で、敬遠する場合が多い外国人介護者の採用ですが、実際に採用してみると戦力として十分な対応が出来ると言います。

 

 

今、介護現場に求められる事。

それは、やはり介護職員の確保であり、介護を目指す学生や若者が増えることだと感じます。

 

 

「介護」の魅力をもっともっと伝える事。

福祉の仕事のやりがいを発信する事。

魅力ある福祉の業界を創り上げる事。

 

 

特別養護老人ホームにおいての現在の課題はそうしたところにあると感じます。

全ては高齢者のために、安心した生活を楽しむ事ができるために業界全体が意識していかなければ簡単に解決できる問題ではないと感じています。




認知症高齢者とこれからの日本

認知症高齢者は2025年に1300万人になるといわれています。

週末にNHKの特番で「認知症社会」が放送され、これからの超高齢社会における認知症高齢者の問題が取り上げられました。

 

 

 

 

認知症高齢者の数は、高齢者の増加に比例して増加しており、その中でもひとり暮らしの認知症高齢者についても2025人に144万人になると言われています。

 

 

特に最近では、認知症高齢者の車での死亡事故が増えており、75才以上の交通事故の半数以上は認知症の疑いがある高齢者という事です。

 

 

ご存知のように特別養護老人ホーム等の高齢者施設が不足している事と、施設が整備されても、そこで働く介護職員不足の影響で空きベッドとなっている施設も増加傾向にあります。2025年には特別養護老人ホーム等の待機者は62万人になり、介護人材は38万人不足すると言われています。

 

 

数値だけをみても本当に深刻な問題です。

さまざまな対策が話し合われているのですが、こうした問題を解決していくには以下のことが重要であると考えています。

 

 

一つは、高齢者自身の認知症予防です。

高齢者が認知症にならないために、コミュニケーションが取れる施設創りをすることです。

 

 

近所に住む高齢者同士やご家族、地域の方々や子ども達、さまざまな世代との係わりはとても重要で、話す事で行動する事につながったり、考えたりする事が増える事で認知症の症状を遅らせたり予防する事ができます。

 

 

そうしたコミュニケーションが普段の生活の中で自然に生まれるような空間や仕組みを創りだす事で、生活のリズムや楽しみが増え気持ちも前向きになるはずです。そんな高齢者が増えていけばおのずと認知症の割合は低下してくると考えています。

 

 

もう一つは、介護施設の充実です。

認知症になったとしてもそれを介護する施設が充実していれば少なくとも一人暮らしの高齢者の数は減っていきます。

 

 

そのためには、介護職員の確保が課題となってきます。

私達は以前から言い続けていますが、介護や福祉といった分野が憧れの職業となれるようにさまざまな取組が必要だと感じています。

 

 

世の中で運営している福祉施設の活動の楽しさを発信し、明るい介護の世界を知ってもらう事が重要です。

「介護」は高齢者の生活を創っていく仕事であり、できない事を助ける事ではありません。

 

 

そういう意識を持つことで介護に対するモチベーションが向上し、やりがいのある仕事であると気付くはずです。

 

 

 

福祉施設の建築設計という私たちの立場から、認知症高齢社会への問題解決は出来ると思っています。

実際に運営する運営者の考えと施設創りの考えが同じ方向を向き、これからの2025年に向けて意識していく事が大切だと考えています。

 

 

全ては高齢者のために、日々さまざまな事を考え提案していきたいと感じています。

2025年まであと8年。今できる事、今だからできる事は必ずあります。

 

 

新しい明るい超高齢社会のために私たちも考え続けます。

 




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