福祉施設の建替え問題

いよいよ長かった梅雨も全国的に明け、暑い夏がやってきました。

例年と違って、子ども達の短い夏休みもようやく始まったようです。

 

 

東京都や都心部を中心にコロナの感染者が増えてきており、休日においても人込みや集まりを避けての生活が続いています。

 

 

地方での現場についても、極力大人数での打合せを避け、電話やメールで対応できるものについては、ご相談させていただきながら進めていますが、どうしても現場での確認作業は難しいところもあるのが現状です。

 

 

さて、ここ数年福祉施設の整備においては、既存建物の建替えの相談が多いように感じています。高齢者施設については、各行政においても整備が進んでおり、新設として整備する枠も少なくなっているのが現状です。

 

 

既存施設の建替えにおいて、難しい問題は、土地の問題です。

それは、高齢者施設や障害者施設の入所施設は、元々の規模が大きく敷地も大きいため、建て替えるためには、原則として既存の敷地と同等の広さの敷地を確保する事が必要になるためです。

 

 

よく相談を受けるのが、仮設を建てて既存施設を取り壊した後の既存敷地への建替えです。

確かに、出来なくはないですが、仮設建物を建てるにも、基本的には入所定員を減らすことはできないため、同じくらいの規模の仮設建物が必要であるという事です。

 

 

また、高齢者や障害者が生活する上で必要な設備は法的に定められているため、仮設建物といえども、解体して新築する期間、少なくとも1年と数カ月は、そこに住む形となります。

 

 

生活する施設ですから、もちろん冷暖房や断熱効果も一定のレベルまで上げていかなければいけませんし、非常時の対応や耐火性能なども必要になります。

 

 

仮設とはいえ本設並みの建物となりコスト的にも大きな負担となるのが現状です。

 

 

 

 

 

こちらの写真は、先日某所で相談のあった高齢者施設の候補敷地です。

 

 

どこの敷地でも、建物は同じように建てられるわけではありません。一般の住宅とは違い、建築基準法上の特殊建築物という扱いになるため、法律での縛りが厳しくなることも事実です。

 

 

その敷地に目的の建物が法律上建てられるのかという事は、敷地を購入する前に法的条件を調べた上で進めなければ大変な事になります。

 

 

敷地の購入の前に必ず、専門家に見てもらう事をお勧めしています。

 

 

建築基準法以外においても福祉関連による法律や条件等もあるため、お悩みの場合や相談があれば気軽に相談していただければと思います。

 

 

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災害時の福祉避難所

今日は、設計を進めている横浜市の特別養護老人ホームの近隣説明会に伺ってきました。

 

 

 

 

近隣説明を行うと様々なご意見や質問をいただく事があります。

 

 

もちろん、隣接地に住む方々は、新しくできる建物の高さや規模、日影など建物が建つことによってどのように環境が変化するかといった事があり、また、地域でも少し距離があるところでは、福祉施設の内容や利用に対してのご意見があったりと、場所によっても様々な目線で意見をいただく事があります。

 

 

今回の建物は海岸近くのエリアにあり、津波による浸水が想定される区域です。

そのため、特別養護老人ホームの利用者用の居室は3階以上に整備するという方針で動いているのですが、いざという時には地域の福祉避難所としての利用も意識しているところです。

 

 

避難所といっても、その災害の内容によって、利用できる対象エリアや年齢層など様々です。たとえば今回の地域においては津波を想定する場合、本当に隣接地の方々が避難できればという考えです。少し離れた場所の方々は間に合わないという可能性も考えられます。

 

 

地震による被害の場合は、比較的広範囲の方々も周辺の状況によっては避難施設として活用ができますし、先日のように洪水での災害においても多くの方々に利用していただけるのではと考えています。

 

 

このように、災害の内容によって、避難所として利用できる対象の方々は変わる事も事実です。

 

 

どの地域においても、避難所というのは近くの小学校や中学校などに指定されているのですが、高齢者や障害者で車椅子を利用している方々は、避難所においてそうした設備が無くて困るといったケースがよくあります。

 

 

どんな災害においても車椅子利用者が使用できる、福祉避難所は地域の各所に必要である事は確かです。また、このコロナ渦において、多くの方が1カ所の避難所に集中する事も避けなければいけません。

 

 

特別養護老人ホームは常に地域のそうした人たちの、福祉避難所としてもとても重要な役割を担っているのです。

地域の福祉避難所として防災への意識や普段からの周知がとても大切になってきます。

 

 

地域と共に共存し続ける施設は、そうした避難所としても、地域の方々に理解していただく必要があると感じています。

 

 

 

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老老介護の現状と課題

先日、朝日新聞のインターネット版に老老介護についての記事が記載されていました。

 

 

 

 

「老老介護」すなわち、自宅で介護する世帯において、介護される側と介護する側がどちらも65才以上となっている状態の事で、2019年で調査結果が、介護する世帯の約60%がこの状態であるとの事。

 

 

おそらく、この数値は、まだ上昇していく傾向にあり、在宅介護における今後の課題とも言えます。

 

 

これ以外にも、独居の高齢者世帯も年々増加していると言われており、孤独死についても社会問題になっている状況です。

 

 

もちろん、地域によってかなり差がある問題ですが、私が住む、横浜市旭区内においても、深刻な問題となっており、近年においては、地域の民生委員が調査し、有事の際には何か手助けができるように進めているところです。

 

 

しかし、プライバシー確保という観点から、そうした情報を公開する事が出来ないという事もあり、実際には、どこまで機能するのか疑問もあります。

 

 

そういう意味での地域コミュニティーはとても重要だと感じています。普段の生活の中から、ご近所とのコミュニケーションをとり、周りの方々にわかってもらうという事だと思います。

 

 

趣味など何かしらのきっかけで、他の人に存在を知ってもらう事、積極的にコミュニケーションをとる事。近所の方にそういった状況が見られないかといった、ちょっとした普段からの意識が、重大な局面の際に大きく違ってくるのだと思います。

 

 

施設を整備し続ける事が私たちの使命であるとともに、ひとりひとりがそうした意識を持つ事が少しでも、老老介護や孤独死といった社会的な問題を軽減できるのだと思います。

 

 

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豪雨被害と福祉施設の課題

7月12日今日の読売新聞の記事です。

 

 

 

先週の九州地方を襲った豪雨から一週間が経過していますが、毎日のように豪雨が続き、来週も引き続き注意が必要です。

 

 

ここ数年の雨の降り方は、変化してきているように感じます。ゲリラ豪雨と呼ばれる局地的な雨は良く耳にするようになりましたが、今年は「線状降水帯」という、今までに聞いたことのない状態が続いています。

 

 

今回の豪雨でも特別養護老人ホームでの被害が報道されており、いろいろと避難対策の事など考えさせられる日々です。

 

 

特別養護老人ホーム等の入所施設では、今回のように早朝時間帯において職員の人数が少なく、かなり早いスピードで水かさが増えた事も重なり避難する事が難しかったと言われています。

 

 

特別養護老人ホームにおいてユニット型の場合、夜間に通常は2ユニットに一人という職員配置が基本となっているため、100床の施設の場合、5人+αというイメージです。

 

 

入所されている方々は特別養護老人ホームの場合、介護度3以上の方々ですので、他の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅と比べて重度の方が多いというのが現状です。

 

 

となると、自力で避難できる方はほとんどいないという状況で、職員が少ない時間帯での避難という事は相当な時間がかかるわけです。

 

 

これは、一つは、介護体制の問題も夜間においても昼間の時間帯においても、重度の方が入居する施設においてはもう少し手厚い介護が必要になるのではと感じます。

 

 

しかし実態をみると、かなり厳しい介護報酬のなかで、施設運営がギリギリの状態で職員を最低限の人数配置で運営しているのが現状で、介護保険制度自体を見直していかなければ改善できる問題でもありません。

 

 

そしてもう一つの問題点としては、施設の立地条件にもあります。

 

 

施設整備において、建物の建設に対する補助金はあっても、土地を購入する補助金はありません。

また、施設整備において必要になるコストの大半は借入をし、入居者のホテルコストで返済していくというのが一般的な考え方です。

 

 

それで介護報酬も入所定員で決まってしまうため、土地や建物の費用を極限まで切り詰めていかなければ成り立たない状況なのです。

 

 

施設整備においてはまとまった面積の土地が必要になり、市街地や条件の良い場所は地価が高くて、とても建てられる条件ではありません。

 

 

施設整備の際に敷地選定をする段階から専門的な目で、検討する事はもちろん、やはり、土地取得に対しての補助金等も今後は考えていかなければいけないのではと思います。

 

 

特に、高齢者や障害者という避難するという事にとても困難を要する方々が対象になる施設では、自然災害に対する検討を行い、敷地選定から慎重に行わなければいけません。

 

 

災害の状況や時代の変化とともに、いままでと同じ事を繰り返していては、今後の予測できない災害に対応していく事は難しくなると感じるとともに、こうした事への対策は急務であると改めて感じています。

 

 

 

 

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ありがとうPTさん!

JUGEMテーマ:日記・一般

 

FUKUSHIKENの真栄城です。

先週末は実家に帰省していました。

 

機内もソーシャルディスタンスで三列のシートが全て埋まることがないような乗客の配置。

機長のアナウンスも機内の空調は最先端で新鮮空気と入れ替わっているとの

乗客を安心をさせるための内容でした。

 

滞在している間は梅雨明けにも関わらず雨、雨、雨。

青い空と海は少しだけしか見れなかったけどこの時期の植物は雨を受けてとても

生き生きしていました。実家の庭の植物たちも生き生きとした表情です。

 

 

今回は骨折してリハビリで入院中の94歳のおばあちゃんのお見舞いでした。


リハビリの時間に重なったしまったけどおばあちゃんが「東京から孫が来てる」と

PTさんに嬉しそうに話すと「たくさん話してくださいねぇ」とリハビリを少し後回しにしてくれました。

コロナで短い面会時間でしたがスマホで写真見せたりしながら少し会話ができました。

前回こどもを抱っこした事忘れていましたが写真をみて思い出すことができたみたいです。

そして「何が食べたい?ラフテー?」と退院したら私にまた手料理をふるまってくれるとのこと。

(身内自慢になってしまいますが、おばあちゃんが作る沖縄料理はおいしいです。)


リハビリの時間も大事だと思いますがこのような時間も入院・入所してる人たちにとっては

生きる喜びや楽しみ、安堵感につながるのだと思います。

PTさんに気を使ってもらえてとてもありがたかったです。

 

建築や空間ではできない、人と人との関係が生む大切なもの。

高齢者や障害者を管理するのではなく人間らしく生きる場や時間を提供できる

支援施設などが増えてくるといいですね。

私たちは建築をとおしてその場や雰囲気づくりを手伝いたい。バクアップしたいという

思いです。

 

ありがとうPTさん。
元気も出たし涙も出ました。

 

知らないふりしていまいたが、
帰りにトイレ寄って鏡見たらしっかりマスクが濡れていました、、、、

 

 

 

 

病院へ行く前にこどもに見せるために寄った海。

沖縄はすっかり夏です。

 

 

FUKUSHIKEN 真栄城

 

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