個性を活かす事

先日、気になっていた本を購入しました。

 

 

 

「顔ニモマケズ」

 

とてもインパクトの強いタイトルと表紙の写真です。

 

 

あなたは、「自分の外見がもっと美しかったらいいのに」と思ったことはありませんか?

世界22か国で「外見」に関するアンケート調査を行ったところ「自分の外見の美しさに満足している」と回答した人が最も少なかったのが日本だったとの事。

 

 

たしかに少なからず自分自身の外見にはどこか不満をもったり偏見をもったりしている部分は誰しもあるのではと感じます。

 

 

私はこの本に出合って初めて知ったのですが、見た目問題の解決に取り組む団体があるという事です。「NPO法人マイフェイス・マイスタイル」という団体でそれぞれの悩みを解決する事に取り組んでいるようです。

 

 

ここで紹介されている9人の物語は、それぞれが何かしらの障がいをお持ちで、それによって見た目に問題を抱えた方々のこれまでの体験や考え方、そしてそんな問題にも負けずに前を向いて生きる姿を紹介しています。

 

 

子どもの頃から、見た目が問題でいじめにあったり、じろじろと見られたりという事を乗り越え、自信がないからとか障がいがあるから家に閉じこもったりしないで、積極的に表に出ていろいろな事にチャレンジする事で道は開けていく。

 

 

こんな自分だからこそ出会えた友人や生き方を自分へのプラスとして考える事で、全く違った生き方ができるのではと考えさせられました。

 

 

私達が取り組んでいる、障がい者施設や高齢者施設の利用者とも共通する事があると感じました。

 

 

障がいを抱えている事をその人の「個性」としてとらえ、逆に健常者には出来ない事や自分の得意な部分を活かしていく事で、その人の生き方は大きく変わると思っています。

 

 

そして、そうした問題を抱え込まずに世の中に発信したり積極的に関わっていく事が大切で、健常者と障がい者の垣根を減らしていく事、というよりも健常者という枠はないという考え方が浸透していく事が重要だと思います。

 

 

私達は、建築設計という分野で、障がい者や高齢者の方々がいかに住みやすく、快適な生活が続けていけるかを常に考え、提案を続けています。それぞれの個性を皆が認め、快適な生活や充実した時間を過ごせることが求められており、今後の課題であると改めて感じました。




建築コンクールの授賞式

本日は、第61回神奈川建築コンクールの授賞式に参加させていただきました。

 

 

 

 

日比野設計+福祉施設研究所で関わらせていただいた相模原市の「児童発達支援センター 青い鳥」が一般建築物部門の優秀賞を受賞する事ができました。

 

 

 

神奈川県のHPはコチラ↓

 

 

 

私達の活動は、建物を利用する障がい者やお年寄りのためを第一に考えて空間の設計を進めており、何かの賞を取ることが目的ではありません。

 

 

しかしそうした活動が、第三者からこうした賞をいただく事で再確認できるとともに世の中に知っていただくという事は、正直嬉しく感じています。

 

 

一般建築部門に混ざって、もっともっと障がい者施設や高齢者施設が増えていけば、福祉の世界でも意識は向上していくのではと感じています。

 

 

事業主である相模福祉村の赤間理事長をはじめスタッフの皆様、また工事に関わっていただいた櫻内工務店をはじめとした各施工業者さん、他関わっていただいた皆様に感謝申し上げます。

 

 

 

最後に皆で記念写真です。ありがとうございました。




高齢者施設の敷地選定

先日、某高齢者施設の建替えの相談で長崎に行ってきました。

 

 

老朽化した施設の建替え事業は、30年以上経過した古い施設の場合は課題となっているのが現状です。

 

 

 

今回お伺いした施設は海のそばの高台に建っており、こんな素晴らしいロケーションの場所です。

 

 

高齢者施設の設計において、今後はそれぞれの特色や付加価値を見出していかなければ利用者から選ばれる施設になる事はありません。

 

 

付加価値は一つの答えがある訳でもなく生み出していくものです。今回の敷地のように立地条件で景色を楽しむ事ができる敷地であれば、共同生活室など利用者が生活する上で長い時間を過ごす場所からはこうした景色が楽しめる空間が出来ます。

 

 

どんな事でも良いと思います。

一つだけ付加価値の要素を入れていく事が、結果高齢者のためになる施設になると考えています。

 

 

敷地選定は難しいものです。

地主さんとの関係、近隣の状況、土地の広さや形状、法的な制限など事前に情報をつかむ事で検討する材料になります。

 

 

建物を計画する場合、敷地の条件によって全く違った施設になっていきます。

敷地の選定段階から設計者等の専門家に相談する事をお勧めしています。

 

 

今回の長崎のプロジェクトは、そういった意味では素晴らしいロケーションを活かしつつ、既存施設をどのようにして建替えていくかが課題となります。

 

 

どんな施設になっていくのか、今から楽しみです。




地域コミュニティーをつくる防災訓練

今日は、私が住んでいる地区の連合自治会で、毎年恒例となっている合同防災訓練に参加してきました。

 

 

 

各自治会から30名前後、延べ200人を超える地域住民が参加しています。

 

 

防災訓練という事で、災害時には避難所として機能する小学校での訓練となり、実際に防災倉庫に入っている器具を使っての実演となります。

 

 

 

 

 

消防分団による、消火活動の実演。

 

 

 

火災時の煙を想定した煙体験。

 

 

 

 

非常時の通信手段となる、無線での市役所との交信。

 

 

 

 

家庭用消火器の使い方。

 

 

 

 

AED・心肺蘇生。

 

 

普段体験しない事で、非常時に必ず役に立つ事がそれぞれ説明を受けて体験できるため、とてもわかりやすく良い経験になります。

 

 

もちろんこうした訓練で得られる事はあるのですが、もう一つ大事な事があります。

 

 

災害時にそれぞれが孤立せず、地域とのコミュニケーションが取れているかという事です。特に高齢者や障がい者は災害時に容易に避難できる状態にない方が多くいます。

 

 

地域の周辺の方々がそうした事を知っている事、近所付き合いが出来ている事で、避難時に協力できたり気にかけてもらったりできる訳です。

 

 

子ども達から高齢者まで、そういう意味では多世代が集うこうした防災訓練のもう一つの意味がそこにあるのではと感じます。

 

 

災害というのは、起きてみないと分からないという事が多く、実際に訓練通りに行く事はありません。そういう意味でもいろいろな状況に対して人との繋がりは大切です。

 

 

こうした取り組みを続けていく事で、地域防災は本当の意味で対応力が増していくのではと感じました。

 




高齢者の孤立死を無くすために

今日の読売新聞の記事です。

 

 

 

「仕事一筋のち独り」ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

先月、東京南青山の一角にある築40年超のマンションの一室に警察官が入ると、男性がうつむせに横たわっていた。

ポストに郵便物がたまっている事に気づいたマンションの管理人が所在を確認しようと部屋の前まで来ると異臭を感じ警察に通報した。

 

この男性は死後、1週間が経過しており病死したとみられている。

男性はこの部屋を事務所兼自宅として旅行業を営んでおり、顧客には信頼の厚い存在で、1年の半分を海外で過ごすほど大好きな仕事に夢中で活き活きとした生活を送っていた。

 

5年ほど前に男性は突然、「人や場所を忘れっぽくなり思い出せない」などと周囲に漏らすようになり仕事もやめてしまった。

生涯独身の男性は友人や兄弟からも孤立状態となってしまい、都内のマンションで暮らしていたという。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

東京都23区内では昨年1年間に孤立死した人は20年前の2.5倍に増加し、2015年の国勢調査では相対的に孤立死のリスクが高くなる一人暮らしの世帯は20年前より700世帯多い約1841万世帯となり、全世帯の3分の1を超えたとの事。

 

 

この記事を見ると本当に寂しい気持ちになります。

 

 

若いころに頑張ってきた人生の最後に、このような結末で、誰にもみとられずに亡くなっていく、いわゆる孤立死する高齢者がかなり増えてしまっているのです。

 

 

 

 

全国的に見てもかなりの方が孤立死で亡くなっています。

 

 

兄弟や子どもなどの親族がいなくなってしまったり、離れた場所で暮らしていたり、さまざまな理由があるにせよ一人暮らしの高齢者は増え続け、友人や地域との近所付き合いも薄い現代社会の中で、どの様にして生きていこうというのだろうか。

 

 

それを支えていくのは、身近にいる廻りの方たちだと思っています。

遠くにいる親族よりも、他人である隣人のほうが毎日の状況がわかる場合があります。

 

 

地域との繋がりの大切さは、人間社会の中で本当に需要な事だと改めて考えさせられます。

 

 

それは、高齢者に限ったことではありません。孤立化しないためにも地域や近隣住民との交流を普段からどれだけ取っているかという事になってきます。

 

 

地域自治会やあらゆる団体がきっかけになる場合もありますが、地域の高齢者施設や障がい者施設は、こうした問題にも地域と繋がるきっかけをつくる事が求められているのではないでしょうか。

 

 

これからの施設は、地域の高齢者や障がい者にも安心していただける取組やサービスが重要であり、地域社会とのつながりはより重要視していく必要があると思っています。

 

 

建築空間によって、その繋がりを生み出したり、きっかけをつくる事は可能だと思っています。世の中の課題、これからの超高齢社会を支えていくために、建築設計という領域から提案し続けていきたいと考えています。




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