特別養護老人ホームでの面会

「高齢者施設 面会を緩和」

10月23日(金)の読売新聞の一面です。

 

 

 

これまで、コロナの影響で、高齢者施設の面会が出来なかったわけですが、ようやく厚生労働省は対策を講じての面会を緩和する方向になってきました。

 

 

各施設では、徐々にではありますが、面会を再開する動きが出てきています。

 

 

特別養護老人ホームに入所する高齢者にとって、またそのご家族にとって、面会が出来ないという事は、直接本人と会えないという事で、これまで数カ月の間、高齢者にとってもかなりの精神的な負担となってきました。

 

 

しかしながら、完全にコロナが終息したとは言えず、面会を再開するにしても、施設側としては慎重にならざるを得ない状況です。

 

 

万が一、施設でのクラスターが発生すれば、入居者の命に係わる重大な問題であるとともに、職員の動きも制限される可能性もあり、施設の運営に大きく左右されてしまうからです。

 

 

私達が係わるハード面において、どのような対策が出来るでしょうか。

 

 

 

 

これは、建物の入り口に通常設けられる風除室の一部をガラス張とし、ガラスの下部に少しの隙間を空けることで、ガラス越しに会話ができるように検討している例です。

 

 

特に特別な設備を設けなくても、飛沫対策をしながらの面会は可能です。

 

 

また、別に面会の出来る部屋をエントランス付近に設け、換気が十分にできるようにする事も、面会再開に対して出来る事です。

 

 

今、施設に求められる事。高齢者や障害者の心のケアであり、これから始まるコロナとの共存に備えていく事も大切だと感じています。

 

 

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重度障害者の現状とこれから

先日、NHKのハートネットTVで「相模原事件から4年〜パーソナルな暮らしをつくる〜」を視聴させていただきました。

 

 

そう、あの衝撃的な事件からもう4年が経過し、少しづつ事件の記憶も薄れていくころ、裁判や建物の建替えについて報道され、今一度考えるきっかけになっているのではないでしょうか。

 

 

絶対に忘れてはいけない事件であるとともに、障害者の生活についてさまざまな議論のきっかけとなったのも事実です。

 

 

今回放送されていた内容では、重度障害の一人の被害者が事件後、津久井やまゆり園を出て一人暮らしに踏み出した生活を取材した記録となっています。

 

 

アパートでの一人暮らしといっても、もちろん介護が必要で、「重度訪問介護」との出会いで生活が変わったと言います。

 

 

一人暮らしをはじめてから、表情が変わり、話すことも増えていきます。

 

 

施設での生活とは違い、自身のペースで自由に生活が出来る事の喜びは、重度障害者の方にとっても全く違た生活となったようです。

 

 

私達は普段の生活が当たり前なのですが、やはり、施設での生活に不自由を生じている方がいるのも事実だと思います。食事の時間やメニューが決まていたり、外出が出来なかったり、入浴やトイレも自由にできない事もあると思います。

 

 

あきらめていた自由な生活が出来る事。本当に素晴らしい事だと思います。

 

 

しかし、重度障害者はほとんどの場合、24時間の介護が必要となり、多くのヘルパーの力を借りなければいけません。

 

 

しかし、現状は、ヘルパーの人材不足が問題となり、こうした生活を送れるのは本当に限りのある事だと思います。

 

 

先日、障害者施設の設計相談に来ていただいた方からも、こんな話がありました。

 

 

東京都内には、重度障害者が暮らす場所が少なく、介護している親が高齢化してきたり、亡くなったりすると、長く暮らしてきた地域での生活が出来なくなり、地方の施設に移らざるを得ないという現実です。

 

 

医療が発達してきた昨今、障害者自身の寿命も長くなり、施設での生活においても高齢化が進んでいるという状況で、やはり、生活の場が足りていない、介護者がいないという問題があるという事です。

 

 

一人一人が自由に生活が出来る環境を作るには、障害者一人一人の特性を理解し、それぞれに合わせた生活スタイルや空間が必要だと感じています。

 

 

障害者の生活スタイルの答えは一つではありません。

自由に生活できる事もありますが、施設での介護が必要な方もいます。

 

 

生活の選択肢を増やすことが、少しでも障害者の生活を安定させ、豊かに出来るのではと感じています。

 

 

高齢者になっても安心して暮らせる環境を提案し続けていきたいと思っています。

 

 

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追及する福祉のデザイン

「高齢者施設」や「障害者施設」と聞くと、一般的には暗くて寂しい雰囲気の施設をイメージしてしまう人はまだまだ多いと思います。

 

 

建築のこれまでの歴史からも、戦後の集合住宅や学校建築のように、その時代に急務として整備される建築は、多くとしてデザイン面への追及は疎かにされ、とにかく早く多くの施設を供給する事に重視してきたように思います。

 

 

私達が携わる高齢者施設の分野も例外では無く、高齢化とともに施設の需要が高まり、急速に高齢者施設の整備が始まったのも事実です。

 

 

障害者施設という分野は、そういう明確な背景は無く、どちらかというとなるべく目立たないところで、密かに暮らしているというイメージの方が強いか、そんな事すらイメージが無いという分野なのかもしれません。

 

 

「そんな意識を変えたい」、そういう想いで日々考え、設計を行っています。

 

 

そもそも障害者も健常者もいない、そんな定義も必要無いと感じています。ひとりの人が思う事、感じる事、楽しい事、悲しい事、つらい事、これは生きていればすべての人が感情として持っているものであると思います。

 

 

全ての人は、心地の良い場所で生活がしたいし、おいしいものが食べたいし、皆とコミュニケーションも図りたい。

 

 

施設を設計する上で、自分がその施設に入りたいと思えるものを提案したいというのが大前提にあるわけです。

 

 

今日は、東京都板橋区にある、「Communication Design Store おおきな木」という雑貨屋さんに行ってきました。

 

 

 

私自身、生活雑貨はとても好きなので、こんな店舗を見るとついつい入りたくなってしまいます。

こちらのお店は、全てが障害者の福祉作業所で作られた品物となっていて、どれも魅力あるものばかりです。

 

 

以前から来たいと思っていてようやく今日、実現できました。

 

 

 

私達も、福祉施設の設計において、何か地域との交流を創る時に、中途半端な空間や運営だと、空間が使われなくなったり、機能しなくなったりという事は多くあると感じています。

 

 

本当にやるのであれば、とことん追求し、やはり一般的に見て誰もが来たくなる場所となる事が必要だと考えています。

 

 

 

飲食であれば、もう一度食べたいと思うか。

物であれば、その物を買いたいと思うか。

空間であれば、もう一度その場所んい来たいと思うか。

 

 

これは特別な事ではなく一般的にそうだと思うのです。

だから、こんなにこだわって作った商品を見ると、本当に嬉しくなります。

 

 

その作った物に障害者も健常者も関係ありません。それが欲しければ買うし、いらなければ買わないという事だけです。

 

 

なので、私たちが建築設計という分野で出来る事。それは、居心地の良い空間創りだと思っています。

 

 

その空間の広さ、形、位置、関係性。

その壁の素材、色、張り方。

その床の機能性、肌触り、硬さ。

窓の大きさや位置、扉の幅や素材、取っ手の大きさや色。

 

 

一つ一つの要素が空間を構成し、人への感じ方も決まってきます。

コンセプトをしっかりと持ち、福祉施設のデザインを追求していきたいと改めて感じた一日でした。

 

 

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福祉施設の機能的検討

いよいよGoToキャンペーンが東京都も対象となり、土日や祝日に旅行をされる方が増えてきたように感じます。

出張で飛行機に乗っても、家族連れの姿も増え、少しづつではありますが、戻りつつあるのではと思います。

 

 

さて、福祉施設の現場監理段階においては、様々な決め事があり、定例会議という形で、事業主、設計者、施工者が集まっての会議が行われます。

 

 

以前は、コロナの影響でビデオ会議としていた現場も対策を取りながらの現場会議となってきています。

 

 

現場での打合せは、かなり細かい内容が多くなるため、ビデオ会議だけだと限界を感じていたところです。

 

 

 

 

福祉施設の扉の写真ですが、先日も現場において個室の扉に取付ける鍵についての議論となりました。

鍵の有無や形状、取付ける高さ、種類など鍵一つにしても様々な議論になる事もあります。

 

 

確かに答えは一つではありませんし、これまで使ってきた施設側の考え方によっても違ってくることがあります。

 

 

普段の使い勝手については、出来る限り、実際にそこで働く職員の意見を尊重できればと思っています。もちろん、それぞれのメリットやデメリットを提示し、私たちの考えも伝えての話となります。

 

 

 

特に、利用者のプライベートスペースとなる居室は、多くの時間をここで過ごす事になる場所であることと、職員側の目線と利用者側の目線があり、考え方も様々だと感じています。

 

 

ベッドの置く位置や向きによって、ベッド用のコンセントやナースコールの設置位置が違ってきたり、収納棚の大きさや持込家具の想定によってもテレビや洗面の位置も変わってくる可能性があります。

 

 

おそらく、新築で建てれば30年、40年と使っていく施設になります。長い時間その決めた事で使用していくわけですからとても重要な事になります。

 

 

また、職員の皆さんとの打合せで、意見を少しでも反映させられれば使い勝手も良いし、職員のモチベーションも上がるのではと感じています。

 

 

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コロナ渦での高齢者の生活

世の中は4連休、昨日は、敬老の日となりました。

 

 

昨日は、長崎県雲仙市で進行中の特別養護老人ホームの現場に伺ってきましたが、連休中という事もあり、羽田空港はいつもの様子とは違っていて、帰省や旅行に出かける家族連れでにぎわっていました。

 

 

今日のニュースでも、各地の観光地では人出が多く、ホテルなどの宿泊施設も混雑しているところも増えてきているようです。

 

 

 

 

昨日の敬老の日は、高齢者の方々にとっては例年楽しみでもある日です。遠くに住んでいて普段なかなか会えない孫が会いに来て一緒にご飯を食べたり、お話をしたり、活き活きとした時間を過ごす事が多くあったはずです。

 

 

しかし、今年はコロナの影響で、なかなか会いに来れなかったり、会いたくても断らざるを得ないという状況にあり、とても寂しい一日となった方も多くいたと思います。

 

 

特に高齢者や障害者にとってコロナはとても深刻な感染症であり、もし感染してしまえば、命を落とす危険性も高くなるなるため、慎重になってしまう事も確かです。

 

 

しかし、世の中全体もそうですがこのコロナとの共存という生活スタイルが少しずつではありますが、出来てきているように感じています。

 

 

通勤、通学も時間をずらしたり、テレワークを実施したり、人にあわなくてもビデオ会議という方法でお話が出来たり。外出するとすべての人がマスクを着けている状況です。

 

 

一年前のこの日とはまるで違う生活スタイルが少しづつ定着してきているように思います。

 

 

まだまだ、わからないことや、薬や予防薬等の開発、検査体制の確立等、不十分な部分もあるこの時期に、高齢者や障害者がリスクを冒してまで行動するよりは、安心安全に生活できるように工夫していく事も大切だと感じます。

 

 

私達も、このコロナとの共存という生活スタイルをどのようにしていくか、様々な検討をしながら次の時代の生活環境を提案していきたいと考えています。

 

 

そんな想いもあり、昨日の敬老の日をお祝いして福祉研ジャーナル発刊させていただきました。

↓(こちらでご覧になれます)

こちら

 

 

現在進行中のプロジェクトも紹介させていただいておりますので是非一度ご覧いただければと思います。

 

 

 

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