障がい者就労支援事業の可能性

今日は、ある一般企業の方からお声かけいただき、障がい者の就労支援施設についての相談を受けました。

 

 

そもそも、障害者雇用促進法では、企業に対して雇用する労働者の2%に相当する障がい者の雇用を義務付けしています。近年においては障がい者の方々の労働意欲は高まっており、障がい者の方々が職業を通じ誇りをもって自立した生活が送れるように国もさまざまな対策を打ち出しているところです。

 

 

(厚生労働省資料より抜粋)

 

 

そういった意味でも障がい者雇用は年々増加傾向にあり平成27年で1.88%となっていて2%には及ばないまでも障がい者が社会において活躍できる事も増えているのではと感じています。

 

 

今日相談いただいた企業では、積極的に障がい者の雇用を行っているとの事で、今後さらに障がい者の就労支援事業所を始めたいという事でした。

 

そして、その事業が独立して成り立つためにさまざまな方向を模索している段階でした。

 

 

障がい者の雇用の受け皿となっている就労支援事業所には、雇用契約を結ぶ「A型」と、それを結ばない「B型」があり、現在の就労支援事業所の8割は「B型」となっていて、その「B型」の平均工賃額は月額で14,000円前後となっているようです。

 

 

障がい者が自立して生活するためには、ほど遠い金額です。誇りを持って自立した生活が送れるためにはやはり「A型」事業所である必要が出てきます。

 

 

では障がい者の就労支援事業所が採算ベースで独立するためにはどのような取組が必要なのか。

 

 

一つは、一般の方々にも支持され、欲しいと思う商品である事です。障がい者が作った物として同情して買っていただくのでは難しいのです。誰もが欲しいと思い買っていただける商品でなければいけません。

 

 

また食の提供であれば誰もが美味しいと思いリピーターが増えていくものでなければいけません。すなわち高いクオリティーを持ち、それを常に維持していく工夫が必要だと思っています。

 

 

それは、周辺の環境やターゲットにする年代、競合する店舗の数など一般企業と同じで、リサーチを行った上で決めていく事が大切です。そこに需要がなければ意味はありませんし、経営的に成り立つはずがありません。

 

 

最終的に、全ては障がい者の方々のための事です。これからの時代、障がい者も親から離れて自立しなければ生活はできなくなってしまいます。

 

 

障がい者の一人一人が誇りを持って仕事をして自立した生活ができる社会や仕組みを作る事が求められてくるのです。そして障がい者の方々が地域の方々と接する機会を増やしていき、健常者との壁を取り払う事でポジティブな障がい者施設のイメージを作り、よりクリエイティブな活動や取り組みが広がっていくのではと考えています。

 

 

障がい者といっても、実際にはさまざまな個性が存在します。それぞれの個性をプラスになるように活かす事で障がい者就労支援の理想の形ができると思います。

 

 

高齢者施設の整備でも障がい者施設の整備でも、施設創りだけではなくソフト面においても提案させていただき、最終的にソフトとハードがうまく融合することですばらしい事業ができると考えております。

 




災害に強い福祉施設

今日、1月17日は忘れもしない「阪神淡路大震災」が起きた日です。

もう、22年が経過したとは思えないほど、記憶は鮮明に残っています。

 

 

とは言っても和歌山県出身の私も、神奈川に引っ越してきた1年目の年の出来事だったわけで、強い揺れを体感したわけではありませんでした。朝の早い時間だったため、ニュースで地震の事を知りました。

 

 

(1月17日 毎日放送より)

 

 

建築設計を始めた1年目の私にとっては、本当に衝撃的な映像が画面に映し出され、自然の力においてはこんなにも簡単に建物が傾き高速道路が柱脚から折れ曲がってしまう現状を目の当たりにしました。

 

 

意匠設計者においても、構造的なバランスがいかに大切で、将来的に安定し、安心して使用できる事の重要性を改めて感じていた事を思い出します。

 

 

建築基準法についても、この震災以降さまざまな改正が行われ、設計打合せでも地震への安全性はよく議論となったものです。

 

 

今日のニュースで、22年経過すると、この地震の事を知らない人たちも増えてきているとの事で、忘れてはいけない震災の教訓を今一度後世に伝えていかなければいけないと感じます。

 

 

私達が携わっている福祉施設の設計においても、震災を乗り越えるたびにさまざまな対策や強化が進められてきています。特に高齢者施設においては、身体的な弱者であるがゆえに避難の問題や震災後のケアについても考えていかなければいけません。

 

 

自家発電で非常用の電源を確保したり、熱源や動力の分散化、井戸水等の利用や避難経路、防火区画、それに地域の避難場所としての機能まで、いつ発生するかわからない震災に備えることは施設設計においても求められるようになりました。

 

 

今後も決してこの日の記憶は忘れることなく常に意識していく事、そしてそんな過去の出来事を記録として伝えていく事が次の時代の防災対策を大きく変えていけるのではと感じています。




相模原の障がい者施設

今日は、相模原市で進行中の障がい者施設、あすなろ福祉センターの現場に行ってきました。

今年に入って初めての総合定例会議ということで、事業主、設計者、施工者の総勢11名が参加しての打合せとなりました。

 

 

 

現場事務所が狭く感じます(笑)

 

 

現場はというと、6日から作業を開始しており、先日建築基準法の中間検査を受けたところです。

 

 

 

このように鉄骨の構造フレームが完成し、床となる部分のコンクリート打設前の鉄筋工事が行われています。

 

 

 

建物の外回りやバルコニーを設置する部分についてはこうした足場が掛けられ、養生シートが張られています。

 

 

 

 

総合定例会議が終わると、皆で現場を回ります。

部屋の位置関係やボリューム、内部から見える景色など、現場を回ることで見ることができる風景があります。

 

 

そして様々な質問や意見交換が行われ、いろいろな気付きも出てきます。

 

 

 

屋上に上がると、10m以下の建物ですが、このように周りに視界を遮るものが無いためすばらしい景色が広がります。

 

 

来週には床のコンクリート打設、月末からは外壁のセメント板の取付が始まります。いよいよ仕上げ段階となるのですが、その分決めることが山積みで、外部の色彩や内装の材料選定、電気、設備機器の選定やコンセント・スイッチ等の位置など打合せにおいてはさまざまな議論が交わされていきます。

 

 

現場で作業をしてくれている職人さん達も、これからは様々な業種の方々が入り混じっての作業となっていきます。

今から仕上りが楽しみです。




2017年の仕事始め

日比野設計 福祉施設研究所は本日が2017年の仕事始めとなりました。

毎年恒例となっていますが、全社員が集まり、それぞれの今年の抱負や目標を話します。

 

 

その後は、伊勢原市にある伊勢原大神宮にて初詣です。

 

 

 

毎年の事ですが、やはり年の初めにここに来ると気持ちが引き締まります。

 

午後からは事務所に戻っていよいよ業務開始となりました。

 

 

 

事務所の皆で記念撮影。

 

 

2017年においても、高齢者、障がい者施設について「利用者の為に」を第一に、施設を利用するご家族や職員を含め皆に喜んでいただける施設を創造していきたいと思っています。

 

 

介護・福祉については、まだまだ負のイメージするニュースや出来事が多く、一般的な認識としては労働環境も過酷で低賃金、といった感覚があります。

 

 

これからの超高齢社会において、介護・福祉の分野が若者たちのあこがれの存在になり、高齢者が生き生きとした世の中になれるように、福祉施設の建築設計という立場からこの福祉を盛り上げていければと考えています。

 

 

今年もよろしくお願いいたします。




利用者にとって福祉施設の有り方

昨日は、1月2日にも関わらず、大阪府堺市にある「特別養護老人ホームグランドオーク百寿」に伺ってきました。

 

 

特別養護老人ホームをはじめとする高齢者施設は当然ですが、24時間365日稼働の施設です。なので大晦日や元旦でも職員はシフトの中で動いていて、普段と変わらない日常が展開されています。

 

 

今回は山口施設長に無理を言って、私の母校である工学院大学の赤木教授との訪問となりました。

 

 

 

 

以前から、特別養護老人ホーム等の高齢者施設を設計をしていて、本当にその空間で良かったのか?そのしつらえで良かったのか?と当たらめて考えてみる事は少なかったのですが、やはりその検証は必要で、福祉施設の空間がより良い方向に進化していくためには必要不可欠な事です。

 

 

そういう意味で例えば実際に入居している高齢者にそれぞれの場所についてどのように感じて生活しているのか、という事は設計者としても運営者としても興味のあるところです。

 

 

そして、それはただ単に人の感覚だけでの判断ではなく数値化したり統計を整理したりすることで、今後の空間創りのヒントになったりもするはずです。

 

 

大学の先生とのコラボで何をどこまで出来るかはまだ検討段階ですが、高齢者施設の空間についての研究を少しづつ進めていければと考えています。

 

 

 

さすがに1月2日のOAK Cafeは定休日でしたが、今年は昨年にも増して賑わいが出てくるのではと思います。

 

 

 

 

入居者の生活空間では、お正月の雰囲気が出ていて思い思いのお正月を過ごしておりました。

部屋の前の飾りつけもご利用者さんが書いた書初め、素晴らしい。

 

 

施設長にお話しを聞くとお正月にご自宅に戻られる方も数名いらっしゃる様で、高齢者の生活にとっては必要な事だと感じました。

また、長期休暇になると遠方から面会にくるご家族もいるようで、家族室に泊まっていく方もいます。

 

 

核家族化が進み、離れて暮らす場合が増えた事と、団塊世代以降の少子化で兄弟が少なくなった事もありそうした状況が増えていると言います。

 

 

今後の施設整備ではそういったご家族の面会についてもいろいろと検討していかなければいけないと感じました。

 

 

 

 

最後に、鏡餅と共に記念撮影。

 

 

何か面白い事ができそうな予感です。

お忙しいところ対応いただきまして本当にありがとうございました。

 

感謝。

 




| 1/248PAGES | >>



selected entries

categories

recent comment

recommend

福祉施設の未来を創る‐絆‐高齢者施設・障がい者施設資料集
福祉施設の未来を創る‐絆‐高齢者施設・障がい者施設資料集 (JUGEMレビュー »)
日比野設計,阿久根佐和子
2014年発売


高齢者福祉施設、障碍者福祉施設特集

recommend

笑顔がいっぱいの園舎づくり(幼児の城 7)
笑顔がいっぱいの園舎づくり(幼児の城 7) (JUGEMレビュー »)
日比野設計
2016年発売
園舎資料の最新版。
国内外の写真多数掲載。
好評発売中
日比野設計+幼児の城著

recommend

愛される園舎のつくりかた (幼児の城 6)
愛される園舎のつくりかた (幼児の城 6) (JUGEMレビュー »)
日比野設計
2013年発売
園舎資料の最新版
国内外の写真多数掲載
好評発売中
日比野設計+幼児の城著

recommend

世界でたったひとつの園舎づくり 幼児の城〈5〉
世界でたったひとつの園舎づくり 幼児の城〈5〉 (JUGEMレビュー »)
日比野設計
2009年発売
園舎資料の最新版。
国内外の写真多数掲載。
好評発売中
日比野設計+幼児の城著

links

search this site.

others

mobile

qrcode