福祉施設の火災と現状

先月31日、札幌市での施設火災の報道は日を追うごとに詳細があきらかになり、11人が犠牲となる大参事となってしまいました。

 

 

 

 

報道によると、生活困窮者が暮らす共同住宅で、生活保護を受けているかたの生活施設ですが、入所者の多くは高齢者の方だったようです。

 

 

本当に痛ましい事故で、亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。

 

 

これまでもこうした施設の火災によって犠牲をだしたケースは少なくありません。今回の場合も、一部報道では無届の違法施設であったとか、有料老人ホームに該当するだとか、さまざまな事が言われています。

 

 

確かに実際にはこした施設は数多く、高齢者や生活困窮者の受け入れる施設が少ないために、無届で別の用途であった建物を改修して運営している場合があるのです。

 

 

建築物は建てる前に建築基準法に違反していないかという確認申請を行いチェックを受ける必要があります。その時に建物の用途も定められ、用途ごとに関連する法的基準は違ってくるわけです。

 

 

高齢者や障がい者の施設は、施設を利用する方が避難できない場合や自力での避難にかなり問題がある方が多く、基本的には、建築基準法では最も厳しい規定が適用されています。

 

 

単純に木造の一般住宅をこうした福祉施設に変えるという事はそうした意味で法的にかなり難しいのが通常で、増築する事についても法的規制は強化しなければいけないのが一般的です。

 

 

一般に建築基準法は専門家でないとなかなか理解が難しいですが、これだけの事故事例がでてくると運営側でも自主的にそうした事を考えなければいけません。

 

 

あくまでも建築基準法は最低限の法律です。

高齢者や障がい者が利用する施設は、最低限の安全でなく、それを超える安全性を確保し利用者が安心して暮らせるものでなければいけないと思います。

 

 

建物の増築や用途変更において、法的義務が発生する事も認知度が低く感じます。

 

 

建築の安全基準はそうした事故や事例が増えるたびに規制強化されますが、従前からの建物への繁栄はできず、結果既存不適格建築物が増え続けていくのです。

 

 

規制での強化だけではこうした事故を減らしていくのはまず難しいです。これは施設を運営する側がより安全への意識を高め、御前の対策を取っていく必要があると強く感じています。

 

 

こうした事故は起こってしまってからでは遅いのです。高齢者や障がい者の命を守るために、今後も永遠の課題となっていきます。私達も建築設計者という立場からさまざまな提案をしていきたいと感じています。




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