職員不足による介護施設の受入制限

各所で桜が満開となり、今日は3月31日、年度末を迎えました。

私達が係る設計のほとんどは補助金事業となっており、この年度末に施設が完成し、4月又は5月から開所するというパターンが最も多くなります。

 

 

先日、福祉医療機構が発表した、「介護職員不足によって高齢者が被害を受ける」という、施設開設時の状況が今の職員不足の実態であると共に今の高齢者介護の大きな課題となっています。

 

 

 

この35.9%という数値は、高齢者の介護施設が完成し、開所時に全定員分の受入が出来ない施設の割合を示した数値です。

 

 

昨年の調べでは、待機者がいるにもかかわらず空床が発生していた施設が、施設全体の36%にも及びました。

 

 

介護施設の利用者は増加傾向にあり、介護保険制度において、要介護または要支援の認定を受けた人は平成26年度末で591万人で、10年前からは約221万人増加しているようです。

 

 

当然ですが、介護施設の数も増加傾向にあり、平成27年度時点での特別養護老人ホームは518,273人、有料老人ホームは424,828人、介護老人保健施設は368,201人となっており、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などが増加しています。

 

 

 

そうした状況の中、最も深刻なのは介護職員の不足で、職員の募集をしても集まらない事もそうですが、集まったとしても、新規開設の施設では開所して1年での職員の退職率は40%〜50%、すなわち半数近くの人が退職してしまうというのが実態です。

 

 

私達が担当した施設でも良く聞く話で、開所時の職員は1年経過するとほぼ半数が入れ替わってしまうというのです。もちろん2年、3年と経過してくるとある程度は安定してくるのですが、特に開所時はそうした動きが多くなるようです。

 

 

こうした退職者を少なくする取り組みは、施設側も国を絡めてさまざまな対策がなされていますが、なかなか効果としてあがっていないと感じています。

 

 

介護する側の世代は人口が減少する一方で介護される側の高齢者は増加していくわけですから本当に深刻な問題です。

 

 

今の若者は仕事を選ぶ時代です。

本当に福祉や介護といった業界に魅力を感じ、働きたいと思う要因を増やしていくためには、まずは、福祉や介護の事をもっと知ってもらい、これまでのイメージを払拭していかなければいけないと感じます。

 

 

新しいビジネスも増えていく中で、介護や福祉という業界が魅力的だと感じ、将来的な希望がもてる業界になっていくために私達もハード創りから福祉施設の負のイメージを変えていかなければいけません。

 

 

新規事業の相談を受けるとき、私はいつもそんな話をしています。単に箱ものを創るのではなく、なにかプラスアルファがあって地域からも外部の様々な方々からも魅力を感じる取り組みや施設創りをする事で、結果、職員のモチベーションも上がり、こうした介護職員不足にも効果が出ると思うのです。

 

 

まだまだ課題は多いですが、少しづつでも進化していくために提案をしていきたいと思います。

 




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