父の日、高齢者施設を考える

今日は、朝から自宅の電話が鳴った、実家の父からでした。

 

 

そして、その瞬間思い出しました。「今日は父の日だ」

 

 

例年は母の日や父の日というと、プレゼントを選びにショッピングに出かけるのですが、今年は、このコロナの自粛もあり、母の日もプレゼントが出来なかったので、父の日にまとめて通販で手配し配送したものが届いたことの連絡でした。

 

 

何かのきっかけがなければ自身の父や母と連絡を取る事もないわけですが、こういうきっかけがあり少し電話で話をしました。

 

 

考えてみれば自分の父親も77才となり、まさに後期高齢者と言われる世代です。

 

 

おかげさまで、いろいろと体の不調はあるものの、夫婦2人で田舎暮らしを続けている現状です。

 

 

私自身も介護という問題に無縁ではなくなってきたと感じています。もし、自分の親が介護が必要になったら、やはり田舎での暮らしは現実的には難しく、自分たちの自宅近くで高齢者施設を探さなければいけません。

 

 

おそらく、今後団塊の世代の方々が高齢化し、施設への入所が必要になる場合、どうしてもそういった状況は考えられる事かと思います。

 

 

都心部において、高齢者施設の待機者が多い理由の一つでもあると思います。

 

 

普段から、高齢者施設の設計にかかわっているわけですが、父の日に改めて自分の事として、高齢者施設に求められるものを考えるきかっけにもなりました。

 

 

(グランドオーク百寿)

 

 

設計においても自分自身が、高齢者になって住みたくなるものを常に意識しながら、提案をしていますが、自分の親を入所させるとしたら、どんな施設が良いだろうか?

 

 

おそらく答えは一つではありません。

その人の育った環境や生きてきた時代背景、かかわってきたまわりの人達、職業、趣味・・・様々な要素が少なからずその人の生活に影響を与える。そして、どんな環境が落ち着く場所なのかという事は人それぞれにあるのだと思います。

 

 

もちろん、高齢者施設に入所する方は多くの方がいて、それぞれ皆の心地よいと思う空間を一つの答えとして提供する事は難しいです。より多くの人に受け入れられる生活空間を実現する事がわれわれ設計者の役割だと思っています。

 

 

「居心地の良い施設」というのは、やはりその人らしい生活ができる場所であり、それは空間というハード面の役割よりもソフト面の役割のほうが大きいとも感じます。

 

 

それぞれの生き方を模索し、生活がしやすいようにソフト面を活かす空間づくりも考えていかなければいけません。

 

 

その人が求めるもの、その時代が求めるものは常に変化しているはずです。私たちも常に模索しながら次の新しい高齢者施設を追究していければと思います。

 

 

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