長崎県雲仙市の障害者支援施設 

JUGEMテーマ:日記・一般

 

1年前に着工した長崎県雲仙市の知的障害者支援の複合施設の引渡しを10 月末に終え、

11 月から運営がスタートしています。

 

全国的な鉄骨の高力ボルト不足・職人不足などの影響で3ヶ月ほど工事が止まりましたが、

内部の細かな手直し工事、外構工事など多少の工事は残っていますが運営スタートに間に合いほっとしています。

 

しかし今後の人手不足の影響はすぐに大きな改善は難しいと思うので、

これまでの工期+数ヶ月を見込んだ全体計画を立てる必要があり、建築物が建っていくスピードを建設業の環境から

見直す時期に来ていると感じています。

 

 

 

さて、この建物は

1階に

生活介護、訪問看護、学童

2階に

児童発達支援・放課後デイサービス、

ショートステイ

という構成です。

 

 

 

1階はアプローチの通りに面して長い長い縁側があり、

天気がいい日には日向ぼっこしながらまったり過ごしてもらえる気持ちのいい場所になっています。

 

 

 

またアプローチの道路に対して、敷地内にもともとあった井戸から水を汲み上げて使うちいさなビオトープを

設置しており公園のようでいい雰囲気です。

 

縁側は思わず腰掛けたり、ごろんとしたくなったり。

ビオトープは思わず水面を覗き込んだり、手押しポンプをギコギコしたくなったりと

障害者支援の建物ですが地域の公園のような誰でも気兼ねなく入ってこれる環境を目指しました。

輸入の石材が安いので幅をきかせる昨今ですがビオトープで使っている石は地域産です。

ビオトープを縁取る外側の丸みのある石は森山石、歩く部分の平たい石は裸足になる事も考慮して足触りのよい諫早石です。

階段に加え、スロープもあるので車椅子でも入ることができます。

 

 

 

1階の学童と2階の児童発達支援・放課後デイサービスを内部でつなぐネット遊具もあり、

子どもたちがどんな風に混じり合っていくかも楽しみのひとつです。

 


 

引渡し前には、

自分たちも手を加えてできた建物という意識と

簡単なメンテナンスならスタッフ自身でも行えるようにとの観点から

スタッフ向けのシンプルな塗装のワークショップも行っています。


 

外構まで含め完成した際はまたこちらで報告致します。

 

 

福祉施設研究所

真栄城

 




ケアセンターの現場

先日、今年6月に完成した、平塚のケアセンターに伺ってきました。

 

 

施設はオープンして約4カ月となり、利用者も少しづつ増え、職員の皆さんも少しばかり落ち着いてきたように感じます。

 

 

 

 

南側の出入口です。

地域の方が気軽に立ち寄れるように大きな木製建具の開口とし、中が見られるようにしています。

 

もちろんこの施設を利用する地域の高齢者もそうですが、地域の農家の方からの地元野菜の販売なども始まり、いろいろな方が立ち寄ってくれているようです。

 

 

 

 

高齢者施設や障害者施設というと、一般的になかなか気軽に立ち寄るという感じはありません。

ここでは、住宅地という事もあり、さまざまな世代の方が、特に用もなくここに来てお話ができるような環境を目指して整備をしてきました。

 

 

少しづつではありますが、地域と共生するケアセンターになってきているのではと感じました。

 

 

同じ法人で運営する近くの特別養護老人ホームで駄菓子屋を始めたと聞き、見学させていただきました。

 

 

 

 

 

地元の子ども達や地域の方が特別養護老人ホームを身近に感じてもらおうという取組です。ここでは、デイサービスセンターに通う高齢者の方がレジを任されていました。

 

 

そして、デイサービスに通う高齢者と地域の子ども達が楽しそうに会話する姿もありました。

 

 

古くからある施設ですが、少しづつでもこうした取り組みを実行する事にとてもすばらしい事だと思います。高齢者の笑顔、子ども達の笑顔が沢山見れる場所になり、地域の方との関係がとても良い方向に行くのではと感じました。




台風被害と高齢者施設

先週日本列島を横断した台風19号の被害は、被害の状況が明らかになるにつれ、大きな被害状況が伝えられ、被災地の事を思うと本当に心が痛みます。

 

 

 

今回の台風は、いままでの台風に比べ広域に及んだという事と長時間にわたって雨が降り続けたというなかで、被害が拡大してしまいました。

 

 

埼玉の高齢者施設でも水没した地域に取り残される形で、救助を待っていたという状況もありました。

 

 

各地で相次いだ河川の氾濫により、多くの地域での水害が発生しました。河川の氾濫は特に下流域で起こりやすい事と、短時間で水かさが増しているという事に被害の拡大となってしまったものと考えられます。

 

 

高齢者や障害者は、特に避難時において時間がかかると言われており、こうした大型の施設では入所者全員が避難する、あるいは2階に移動するだけでもかなりの時間がかかるのも事実だと思います。

 

 

昨今の自然災害においては、風や水、地震どの災害についても想定を超えるものが多くなってきていると感じています。

 

 

私たちは福祉施設の設計において、どのようにこうした災害に対応していくのか、考えさせられます。

 

 

 

津波被害の対策のように建設する場所の選定から防災を意識する事も求められる時代なのかもしれません。

 

 

 

避難するという事に、施設整備段階での配慮は、出来る限り動線を短くする事や複数の避難方向を確保する事など、意識さえしていれば何かしらの対応は可能です。

 

 

大きな災害から見れば、とても小さなことかもしれません、しかし、その一歩が人の命を救うこともあるという事を考え実行しておくべきだと考えます。

 

 

今出来る事。

それは、限られたことかもしれませんが、高齢者や障害者又は地域の方々を守り安心して暮らしていける場所を常に意識し、行動する事だと思います。

 

 

施設整備においても常にそういう目線で物事を考え提案していきたいと思います。

 




高齢者施設の停電対策

先月発生した台風15号では、千葉県において長期間に及ぶ停電が発生し、高齢者施設や障害者施設でも大変な状況となりました。

 

 

一般的にガスに比べると災害後の復旧は早いとされる電気ですが、この台風15号においては、想定外の暴風により、倒木などによる電線の被害により、各地域での復旧がかつてないほど時間がかかってしましました。

 

 

停電が続くとまだまだ暑い9月の生活においては大変な事です。高齢者施設では、熱中症などで亡くなってしまう方も少なくありません。

 

 

社会的弱者である高齢者や障害者施設においては「停電」というのは命にもかかわる、致命的な状況に陥るという事が改めてわかりました。

 

 

 

 

 

私たちの生活において電気は様々なシーンでなくてはならない存在となっています。電気が止まればエレベーターも動きません。エアコンもききません。トイレの水も流れません。食事の提供も難しくなります。

 

 

少しの時間であればなんとかしのげるかもしれませんが、1日、2日となると、とても生活すること自体が難しくなります。

 

 

私たちは、高齢者施設や障害者施設の設計において、こうした停電への備えとして、自家発電機による最低限の電力供給ができるようにしてきました。

 

 

エレベーターの電源や厨房の冷蔵庫、各所の非常用コンセントなど、自家発電において供給できる最低限の対策を行ってきました。

 

 

停電時に施設全体の電源を賄うという事になると相当の自家発電設備が必要になります。もちろんそれが整備できれば良いのですが、現実的ではありません。

 

 

はたして、どこまでの設備を、この災害用のために準備しなければいけないのか。という問題になってきます。

 

 

災害の対策は停電だけではありませんが、それぞれの災害にどこまでの対応をしておくかという事については建設コストとの兼ね合いも含め検討していく必要があるのです。

 

 

どんなときにも建築は人の命を守ることが最優先になるはずです。そんな視点に立って利用者の安全、安心のために日々意識し提案していければと思います。

 




高知の福祉施設

先日、高知で計画中の障害者と高齢者の複合施設の設計打合せに行ってきました。

 

 

 

建物が建つ敷地に立つと、造成工事の準備作業が少しづつではありますが、進んでいます。

 

 

このプロジェクトの始まりは5年くらい前にさかのぼります。

 

 

もともとの障害者支援施設と特別養護老人ホームが老朽化している事から、建て替えを行うというもので、敷地の選定の段階からご相談をいただき、いろいろな条件の中で敷地も数か所の検討を行い、ようやく良い敷地にたどりついたという感じです。

 

 

東日本大震災以降、この町でも津波避難タワーが建設され、高台移転という課題にも直面しました。

 

 

同じ法人が運営する、高齢者の小規模多機能施設は、そうした問題を抱えており、特に高齢者の方々はどうしても避難に時間を要する事から、なんとかこの高台に移転したいという事で、今回の計画に盛り込まれることになりました。

 

 

長い時間の経過とともに、津波への不安や老朽化した建物での生活の不安や不便さ、高齢者や障害者の方々にとっても一刻も早い建て替えが望まれる状況でした。

 

 

そうした意味で、準備が進む敷地に立つと、本当に嬉しく、同時に高齢者や障害者の方々が楽しく快適に過ごせる場所を作る責任も感じながらの設計打合せとなりました。

 

 

今回の計画では、地域の津波避難場所としても利用される施設となる事から、普段の生活のなかで地域の方々にも気軽に訪れてもらう施設にしたいと考えています。

 

 

「施設」というイメージを打開し、ここでの生活が楽しくなるような心地よい住まいができればと考えています。

 

 

 

湾の反対側からの景色です。

 

 

この自然豊かな素晴らしい環境の中で愛される場所を創っていきたいです。




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