高齢ドライバーの事故

高齢者の運転する車での人身事故の報道が増えており、とても悲しいと同時に、高齢者だけではない問題として、交通安全に対して考えさせられます。

 

 

朝日新聞DIGITALより

 

 

日本の高齢化率は平成29年10月時点で27.7%で、65歳以上の高齢者の人口は3515万人となっています。

 

 

これだけの超高齢社会において、さまざまな問題はありますが、高齢者の交通事故の問題は第三者も巻き込んでしまう事があり、とても深刻な問題だと感じています。

 

 

交通事故については以前から対策は行われてきており、免許証の返納や免許更新時の認知症チェックなども実施されています。

 

 

自己の原因で良く聞かれる、アクセルとブレーキの踏み間違いの対策としても様々な安全装置も出てきていますがなかなか導入は進んでいないのではと感じます。

 

 

人生の最終段階で、こうした人身事故を起こし、加害者も被害者も精神的なダメージはとても大きく、本来であれば穏やかに暮らす生活自体が変わってしまうのです。

 

 

もちろん安全装置等の対策も必要ですが、運転に対する責任の意識は高齢者にかかわらずとても重要だと改めて感じています。




平塚の高齢者施設

世間では10連休となり、5月1日には「令和」という新しい元号で新しい時代がスタートしました。

 

 

私たちも、常に新しい福祉施設を追究し、提案し続けていけるように頑張っていきたいと思います。

 

 

今日は、現在、平塚市内で建設中の高齢者施設の現場に行ってきました。

連休明けの検査、引渡となることから、この連休中も日曜日以外は、所長をはじめ職人さんたちは頑張ってくれています。

 

 

 

 

先日の雨もあり、最後の追い込みとなる外構工事が少し遅れてきていますが、建物としては、ほぼ完成形が見えつつあります。

 

 

平塚市内の住宅地の一角ですが、地域との係わりを重視し、運動する事で、地域の高齢者の方々が少しでも長く元気でいられる事を目指しています。

 

 

 

 

周辺環境との調和を考え、建物は木造で小規模なものとし、外部についても極力、要素をそぎ落としたシンプルな構成としています。

 

 

 

地域の高齢者の為の施設ではありますが、いろいろな世代の人たちが、気軽に入って来られるような計画としています。

 

 

ここに通う高齢者が、地域の子ども達や若者たちと会話し、楽しみながら運動ができる場所になればと考えています。

 

 

6月からの開所を目指して、ソフト面についても準備が進んでおり、工事についても残すところあと少しとなりました。完成が楽しみです。




なぜ人と人は支え合うのか

「なぜ人と人は支え合うのか」〜「障害」から考える〜

著:渡辺一史

 

 

 

 

一冊の本に出合いました。

障害者をテーマに人と社会、人と人が支え合うことの意味を改めて見つめなおす。そんな内容の本です。

 

 

「障害者は本当にいなくなった方が良いのか」

記憶に新しい、相模原市でおこったやまゆり園での障害者殺傷事件。衝撃的な事件は、植松容疑者の考えや言動にも衝撃を受け、改めて障害者の事を考える事となりました。

 

 

著者が実体験において障害者の方々と接し、そんな体験をとおして障害者との係わりや社会との向き合い方を生々しく描いている作品です。

 

 

人と人が支え合う事。これは健常者でも障害者でも同じことだと思います。

どんな人でも一人では生きていけません。人と人がコミュニケーションをし、助け合って生きているのが社会というものです。

 

 

どのように障害者に接したら良いのか。

多くの人は恐らくそう感じる事もあると思います。

 

 

社会の仕組みや障害者支援の制度、日本の社会において障害者と健常者という壁を壊していく事がこれからの課題だと私は考えています。

 

 

障害者と地域の方々、子ども達、高齢者、皆が分け隔てなく集い、支え合っていく社会となっていくように、私たちは、建築という分野から、建築空間をとおして提案し続けていければと改めて感じました。




福祉施設における音の問題

日経アーキテクチュア3-14で「過敏になる音問題」という特集記事がありました。

 

 

 

建築におけるトラブルで多いのが、この音に関するものです。

 

 

先日、建築基準法違反の問題が取り上げられたレオパレスの問題は、界壁の防火対策についてでしたが、集合住宅での隣室との音についても問題になる事が多くあります。

 

 

先日、そんな話題のなか特別養護老人ホームの打合せの中でも個室間の遮音の話となりました。

 

 

特別養護老人ホームにおいてもユニットケアとかプライバシー確保といった言葉はよく出る言葉ですが、実際に個室間の壁の遮音性能を規定する法律はありません。

 

 

しかし、プライバシー確保という方向であるため、現実的には音の問題はとても重要だと感じています。

 

 

特に、個室間や個室と便所の間の壁については気を遣うところです。

福祉施設においては特に、夜中に便所にいく高齢者は少なくありません。そんな時に隣の部屋の方に音が漏れてしまっては大変な事です。

 

 

それ相応の遮音壁にする必要があると思っています。

 

 

また個室間についても、防火上主要な間仕切壁についてはボードを両面二重張りとするのですが、その他の壁については一枚張りであったり、天井裏まで張っていない場合があります。

 

 

昨今ではプライバシー確保について補助金を受けられる時代です。

福祉施設においてもこうした音の問題は利用者にとってもかなり重要な問題といえます。

 

 

音の問題は壁だけの問題でもありません。開口部や設備貫通などによっても問題となるケースが出てきます。これまでのノウハウを活かしながら福祉施設においても常に意識していきたい問題だと改めて感じました。

 




窓から見える風景

高齢者施設や障害者施設の設計において、開口部(窓)の配置はとても重要な要素だと感じています。

 

 

一つの部屋の中の窓は、部屋を明るくしたり、新鮮な空気を入れてきたり、そこから見える風景を楽しめたり、当たり前の事かもしれませんが、さまざまな要素があると思います。

 

 

なので、特に福祉施設においても、生活空間の窓の配置や大きさには気を使います。

 

 

 

先日、大阪府堺市にある特別養護老人ホームで、利用者さんの食堂からこんな景色が見えました。

 

 

綺麗なお庭に子ども達が遊びまわっている姿が見えています。

 

 

 

普通の光景かもしれませんが、特別養護老人ホームの立地条件から、こうした環境が生まれる事はそう多くはありません。

 

 

なにげない風景なのですが、高齢者にとってはとても大切な日常の風景がそこにはありました。

 

 

 

窓の反対側では、高齢者の方々がテーブルに座って集まっているように見えます。

 

 

これもよくある風景ですが、大きなTV画面からは高校野球センバツ大会が写しだされ、興味のある高齢者の方々は画面を見て楽しんでいました。

 

 

高齢者の方々が集まる場所が、子ども達が遊びまわる中庭側にあれば、より高齢者と子ども達の距離は近くなり、コミュニケーションが増えていくのだろうと感じました。

 

 

どこに窓を付けるのか、何を見せるのか、どういう関係性を付けるのか、全ては窓の位置や大きさ種別に大きく左右されてしまうという事です。

 

 

こちらの施設では、高齢者施設と保育園が同じ敷地内に存在しており、そうした素晴らしい環境をより効果的に作り出すことをテーマとして改修を行う計画です。

 

 

窓から見える何気ない風景が与えるもの。

それは、コミュニケーションを生み出し、生活のリズムを確実に変えていくのだと思います。

 

 

昔、自宅で経験した生活の風景を高齢者施設においても実現できればと考えています。




福祉施設の老朽化と建替え

昨日は、障がい者施設と高齢者施設の移転建て替えを計画している高知の施設にお伺いしてきました。

 

 

障がい者施設については、老朽化による建て替えという事で、建物の老朽度を判定するための老朽度調査を行いました。

 

 

 

こちらの法人さんとはご相談いただいてから約5年という時間が経過し、その間、土地や補助金の問題もありましたが、ようやく建て替えの運びとなりそうです。

 

 

改めて福祉施設の建替えの問題は、さまざまな問題を解決していかなければいけないため難しさを感じています。

 

 

 

 

障がい者施設の内部の様子です。

30年以上経過した建物ですが、それまでに設備の更新や内部の改修、使い勝手の見直しなど、さまざまな事が施されてきた事がわかります。

 

 

建物は20年、30年と経過すると、設備機器をはじめ機器等の更新はどうしても発生します。また、メンテナンスを必要な個所に定期的に入れていかないと、やはりそれぞれの建材の寿命も短くなってしまいます。

 

 

そして、年々変化していく生活スタイルや介護用設備の進化、建物の耐震性能等に対応できなくなってくると、どうしても建て替えという事も検討しなければいけないのが事実です。

 

 

こうした施設の現状を見ていると、ここに住まう障がい者の方々のために、明るくて快適で楽しみのある施設にしたいと改めて感じてしまいます。

 

 

これまで作ってきた法人さんの歴史と共に、利用者や地域の方々が笑顔になれる福祉施設を提案していければと思います。




3.11の記憶

東日本大震災から本日で8年が経過したことになります。

 

 

早いと感じるのか、遅いと感じるかは人それぞれの想いがその違いを生んでいる事だと思います。

 

 

 

あの日からすべては変わった。

 

私たち建築に携わる者からみると、特にそう感じるのだと思います。

 

 

「津波」という災害の意識はそれまでは無に等しかったのではないでしょうか。東日本大震災を機に津波避難場所が指定され、海抜の低い地域では街中のいたるところに海抜〇〇mの表示が記されています。

 

 

地域によっては、津波避難タワーが建設されていたり、建物の屋上に避難できるようにと外部階段を設置したり、地震予測も、携帯電話の普及と共に定着してきています。

 

 

東日本大震災での死者は1万5897人、行方不明者は2533人、災害関連死は3701人となっており、この災害の記憶は、これからも一つの教訓として残り、伝え続けていかなければいけない事と改めて感じています。

 

 

特に、災害関連死は年々増え続け、ここまでの犠牲者の人数となっており、高齢者や障がい者においても、さまざまな形で震災後に亡くなる方も多いと聞きます。

 

 

時間の経過と共に風化していく記憶、人の意識はそんなものでしか無いのかもしれません。しかし、私たち設計者は災害の事を常に意識し、高齢者や障がい者施設の安全、安心を提供していかなければいけません。

 

 

現在取り組んでいる障がい者と高齢者の併設施設の一部は、将来の津波の影響を考慮し、高台に移転するというものです。町の津波避難所としての役割も兼ね備えた地域と共に生きる施設になります。

 

 

地域の方々にも気軽に入ってこられる施設とし、災害時にも自然に集まってくるような施設でありたいと思っています。

 

 

子どもも、大人も高齢者も障がい者も、誰もが気軽に立ち寄れる場所こそが、地域の避難所となり防災の拠点としても機能するものと考えております。

 

 

あの3.11の記憶を忘れる事なく、災害に強い、高齢者施設や障がい者施設を提案していきたいと感じました。

 




住み慣れた場所で暮らす事

「原発被災地、要介護 急増」

東日本大震災による東京電力福島第一原発事故による避難指示が出された被災地での要介護者の認定率が急増しているという記事です。

 

 

3月3日(日)読売新聞第一面

 

 

避難指示が出された福島県の11市町村への取材結果と厚生労働省がまとめた全国の自治体の最新データを分析した結果、65歳以上の高齢者で要介護認定を受けた人の割合を示す認定率は、10市町村で全国平均の18.7%を上回ったことがわかりました。

 

 

長期化した避難生活の影響で体が弱ったり、同居の家族と離れ離れになったりした事、避難先で農作業などが出来ず体を動かす機会が減った事などが原因とされています。

 

 

高齢者や障がい者にとって、生活のリズムが少し狂う事で、すぐに介護度にまで影響が出てくるという事です。

 

 

普段の生活の中で、農作業などをしていた人が急にやらなくなってしまう事で、機能低下や認知症の発症などが多くなってしまいます。人は、考える事、動く事、自身の機能を維持し続けるには、継続的にその事をやり続けるという事が大切です。

 

 

少しの事でも良いのです。

高齢者が生活する中で、自身の役割を少しでも持つことで、作業をしたり、その事について考えたり、人に聞いたりという事が発生します。

 

 

その事が、介護予防や機能回復に繋がっていくという事が改めてわかる記事です。

 

 

私たちも高齢者施設や障がい者施設の設計において、常に言い続けている事がまさにその事なのです。

 

 

利用者同士の会話、利用者と職員の会話、地域の方々との会話、さまざまな人との会話が生まれる事で、生活の中に楽しみが増えます。

 

 

畑仕事、食器洗い、部屋の掃除など、生活の中での軽作業は、頭で考え手足を動かす事で、機能の低下を防止し、その人のモチベーションに繋がる事も出てきます。

 

 

生活の中で、少しの楽しみ、少しの生きがい、を見つける事で、生活のリズムが出来、楽しく過ごすことができるのです。高齢者や障がい者が自然にそう思っていただく事が大切で、どのような空間や仕組みがあれば実現できるかを常に模索しているところです。

 

 

元気な高齢者が増える事を願って、常に提案していきたいと、改めて感じました。




特別養護老人ホームの改修工事

特別養護老人ホームの内部改修工事の設計を進めています。

 

 

昨今、特別養護老人ホームについては、既存建物の老朽化による建て替えや内装改修の相談が増えています。介護保険制度の導入をきっかけに施設は増加傾向にあり、建設後20年〜30年経過する施設は増えており、さまざまな理由で建て替えや改修といった整備が急務となっているのです。

 

 

 

設計中の改修工事のイメージモデルです。

 

 

改修工事を行う目的としては、時代とともに機能的な改善が必要になるケース、インテリアのイメージを一新しあらたなデザイン展開をして利用者に選ばれる施設としていくといった感じです。

 

 

建て替えとなると、既存施設を運営しながらとなるため、隣接する場所に同じ規模の施設が建設できる敷地が必要です。またコスト面においても新設する場合に比べて、既存施設の解体費用がプラスされるため、事業費としては増大していきます。

 

 

建物の耐震性能の低下による建て替えは、高齢者や障がい者が利用する施設はとても重要な意味が出てくるのも確かなことだと思います。

 

 

イメージを変える事は内装の改修でも可能です。

床、壁、天井の材料を変える事、照明器具や家具等を変えていく事でかなりイメージは変化していきます。

 

 

しかしながら、改修工事においても、既存建物を利用しながらの工事となるため、工事の際には利用者や職員に対してのさまざまな配慮が必要になってきます。

 

 

特に音や振動の問題は大きなところです。

また、工事の仮設計画は工事を行う順番や利用者の動線確保が重要な要素となってきます。

 

 

増築や大規模の模様替えが絡むと、建築確認申請上、既存建物への遡及の問題も改修を困難にする事の一つかもしれません。

施設の特性上、いろいろな制限が出てくるため、やはり専門家に相談する事をお勧めします。

 

 

過去の経験を活かし、改修工事の提案も行っていますのでお気軽にお問合せください。




福祉施設と建築基準法

世間をにぎわしているレオパレスの建築基準法の不正問題。

建築界の信頼を失う大変な問題だと感じています。

 

 

 

 

今回問題となっているのが、住戸間の界壁と呼ばれる間仕切壁で、隣との遮音性や耐火性能が要求されるものです。

 

 

音の問題も重要ですが、特に重大なのが耐火性能の問題です。

隣の住戸で火災が発生しても、燃え移らないための基準ですが、天井裏で界壁が無いとなると、全てに燃え移ってしまうわけです。

 

 

私たちが携わっている高齢者施設においても、もちろん法的な規制があり、最低限3室ごとに耐火構造であれば耐火構造の壁で仕切らなければいけません。

 

 

そもそも建築基準法は、安全上の最低基準であり、私たちが担当する高齢者施設や障がい者施設においては、特に避難に支障のある方々が多く、基準よりも強化しておく必要があると考えています。

 

 

特別養護老人ホームなどの個室では、各室の間仕切り壁を天井裏まで隙間なく間仕切りをしたり、避難が遅くなるため、平面的に防火戸を設置して、出火区画と避難区画を設けたりと対策をしてきました。

 

 

確かに火災が起こってみないとわからないことかもしれません。しかしとても重要な事だと感じています。

 

 

また、音の問題についても、やはり生活の場でプライバシー確保のために個室にするわけですから、最低限天井裏までの間仕切りは設置しています。

 

 

それに加え、隣接するトイレや浴室の音も気になるため、遮音壁を設ける事も実施しています。

 

 

当たり前のことかもしれませんが、高齢者施設や障がい者施設においての入所施設は生活の場です。誰もが気になる事は常に意識し、プラスアルファして設計していく必要があるのです。

 

 

あくまでも建築基準法は最低基準だという事です。

常に建物の種別ごとに高齢者や障がい者が安心して暮らすことができる居心地の良い空間を機能的にもデザイン的にも提案し続けていきたいと感じます。




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